判断ミスが悲劇の始まり

10月に入ってからは、本当に月日が経つのが早いです。

川崎ファクトリーがどんどん「タイタス・アンドロニカス」色に染まって行きます。


昨日はタモーラが復讐の女神として現れるシーンをやりました。

私は原作を始めて読んだ時「そんなアホな」って笑ってしまいました。

だってどう見たってタモーラだろうし、カイロンとディミートリアスでしょう。

「悪事や復讐にかけては神のような知恵をおもちのかただ」ってアーロンが言っているように、タモーラは頭のいい、用意周到な人だったはずなのに、最後の最後でどうしてあんな子供のようなことをするんだろうって。


「打てばひびくようなお妃様が起き出してきたら、アンドロニカスのこの思いつきをほめたたえるだろう。だがしばらくは安らかに不安の夢を見させておこう。」
ってアーロンが言っているように、タモーラは不安を抱えてて、不安が募りすぎて、いつものように冷静な判断が出来なくなっていて、復讐の女神に変装するなんてアイデアが浮かんだのか。


それとも、やっぱりタモーラは冷静で頭の切れる人で、気違いになったタイタスが神々に宛てて矢文を放っているのを利用して、自分が復讐の女神としてタイタスを口車に乗せてたぶらかしてやろうと計画したのか・・・。


タモーラが復讐の女神に変装したことは、明らかに失敗だったと思う。
変装していかなければ、カイロンとディミートリアスをおいていかなければ、人肉パイの宴会はなかったと思う。




最後にタモーラは判断を間違える。
でも、今までの復讐ってアーロンの計画に乗っただけにも思える。
アーロンは「悪事や復讐にかけては神のような知恵をおもちのかただ」って言うけど、もしかしたらタモーラは用意周到な策略家ではないのかもしれない。


タモーラは復讐の権化で、凄い悪人で、ゴートの女王だった時も国民から嫌われる悪い女王だったのかな。って思っていたけど、
タモーラの復讐は大事な長男アラーバスを殺された時に始まる。
だから、もしかしたら捕虜として連れてこられる前のゴートでのタモーラはそんなに悪ではなかったのかもしれない。


ドラマのなかで悪人だからって、最初から悪人ではないのかもしれない。


タイタスはドラマのなかで、沢山の判断ミスをする。
タイタスの最初の判断ミスはアラーバスを生贄にしたことなのかもしれない。