天国と地獄

黒澤明監督「天国と地獄」


ナショナル・シューズの重役、権藤さんが自分の人生をかけて持ち株を増やし、ナショナル・シューズで自分の作りたい靴を作るためにトップに成り上がろうとしていた。

まさに今日、計画の追い込みという時に、誘拐事件が起こった。

犯人は権藤さんの息子を誘拐し、身代金三千万円を要求してきた。

ところが、犯人は権藤さんの息子と間違えて、権藤さんの運転手の息子を誘拐してしまったのだった。


その間違えに気付いたが犯人は、人質が息子でなかったとしても関係ない。権藤さんに子供をみごろしにすることはできないと、変わらず身代金を要求してきた。


悩みに悩んだ権藤さんは犯人の要求通り、金を用意した。


頭のキレる犯人に翻弄されながらも、金と引き換えに子供を助け出した。


金を失った権藤さんは、負債を抱え今の職と暮らしを失った。



世間はそんな権藤さんに同情し、警察の捜査にもとても協力的だった。


警察も権藤さんのために総力を上げて犯人逮捕に勤めた。


捕まった犯人は、インターンの男だった。


男は毎日権藤さんの豪邸を見ているうちに、羨ましい気持ちが憎悪に変わり、権藤さんを強く怨むようになって、事件を起こしたのであった。



権藤さんの優しさや心の葛藤。
事件がどう展開して行くのか、先が読めずとても面白かった。


犯人は許せないけど、羨ましい気持ちが募ると憎しみに変わってしまう気持ちは理解できる。

これみよがしに豪邸を建てて、贅沢を見せびらかされたら怨みたくもなる。


でも、その気持ちを自分の努力の糧にして正しい方向に進まなければいけない。


「天国と地獄」を観て、権藤さんのように信念を持って、正しく生きたいと思いました。